印刷物のデザインは、いわゆる商業デザインというもので、販売促進や集客・営業等に関わるデザインのことを指します。明確な目的があってデザインされるもので、「アート」とは違います。
その目的を達成するために、どんなメインビジュアルにしようか?どんなコピーにしようか?どんな色使いにしようか?などなど、ターゲットに刺さるデザインを日々考えております。
そんなデザインの中で重要な役割を果たす「色」。
色が与える印象はとても大きく、デザインの重要な要素です。
例えば、美味しさを表すのであれば暖色系、精密さを表すのは寒色系など、ある程度のセオリーが存在していてます。
こちらをご覧ください。
まぁ、普通に美味しそうですね。
はい、 いっきにまずそうになりました。
このように色が与える影響というのは非常に大きいものなのです。
色が持つイメージと一緒に写るもののイメージがかけ離れていると、違和感を感じてしまうことが多くあります。
さて、初心者デザイナーがよくやってしまうよろしくないデザインで「色数が多すぎる」というものがあります。
半田中央印刷には「デザインレビュー」と呼ばれる「そのデザインはきちんと目的をはたせるものなのか?」をチェックする工程があり、そのデザインレビューで、何度も何度も伝えてきたこと。それが「色数が多すぎる」です。
色数が多いことは、なぜいけないのでしょうか?
きちんと色に意味を持たせて、色がキーワードになり計画的に多く色が使われるデザインには問題ありません。しかし適当に色を選んでデザインをしていくと、意味のない色が増えていき、最終的には・・・
こんな印象になります。
色が反乱してごちゃごちゃしていますね。むやみに色数を増やしていくと、こういう印象になるわけです。これと似たものを見たことがあると思います。
はい、ノイズです。
色数を増やしていくと、最終的にはノイズになってしまいます。もう美しさとは対称のものになってしまいました。
サンプルのチラシを乗せたかったのですが、そのチラシをディスることになってしまうのでコンプラ的にNGなのでやめておきます。
では、美しさはどんな時に感じるでしょうか?
下の写真を見てください。
はい、美しいですね。
もちろん個人差もあるかと思いますが、人は色が統一されているものに美しさを感じているのではないでしょうか?
花束もいろんな色がごちゃごちゃと入っているものより、色のテーマを決めて統一されたもののほうが美しく感じませんか?
これらよりも・・・
こっちのほうが美しくないですか?
というわけで、少し乱暴ではありますが、
色数が多すぎる=美しくない。
色数が少ない=美しい。
ということをご理解いただけたでしょうか。
美しくない例としてあげた繁華街も
こうすれば、ちょっといい感じですね。